ドナーになる10(採取前の健康診断、日程確認)

(採取前の健康診断、日程確認)
● ○月○日(通知から69日目)
今後は採取病院の市立病院でお世話になることになる。
血液外来というところで、健康診断、今後の手順などを調整する。
健康診断は、血液検査、レントゲン、肺活量検査など数項目あり、
人間ドックのような感じで順番にまわっていく。
特に肺活量検査は初めての検査でなかなかなれずに時間がかかってしまった。
提供する相手は韓国在住で体重○kgということがわかる。
私よりもはるかに体重は重い・・
採取する骨髄液の量も、私の採取量MAXの1200ccとなる。
そのためには、事前に2回の自己血採取が必要となる。
自己血採取の日程は、○月○日と○日に決定する。
いよいよ、提供に向けた具体的な作業に入る。

ドナーになる9(採取病院の決定)

(採取病院の決定)
● ○月○日頃(通知から54日目)
採取病院の決定は、コーディネータが調整をしてくれるのであるが、
仕事の日程や、場所がどうしても調整できず、相当の時間を費やした。
自宅からの距離、家族の面会の利便性、仕事上の日程の調整、
などなど、結局最終的な場所、日程などがきまるまで1週間程度
かかることになる。
結局、○市立病院で○月○日採取と決まる。
また、事前の検査は○月○日に決まる。
採取する曜日は、医療機関ごとに決まっており、週が決まれば、
自動的に入院日や採取日、退院予定日などが決まってくる。
入院は採取前日の水曜日、採取日は木曜日、退院は順調にいけば、土曜日となる。

ドナーになる7(選定通知)

(選定通知)
● ○月○日(通知から39日目)
コーディネータから最終的に提供者として選定されたとの連絡を受ける。
最初の検査から1、2か月かかるはずが、1週間で通知・・妙に反応が早い。
もしかしたら、候補が一人しかいなかったのかもしれない。
連絡を受けた直後に、財団からドナー決定通知なるものを受け取る。
この通知を受けてから、最終同意という手続きを行う。
この手続きは、本人だけでなく家族も含めて同意し、この同意を行うと
基本的には提供を撤回することはできなくなる。
(提供者の病気などの場合は撤回される)
最終同意も専門医のいる病院で行われる。
こちらの日程と医師の日程とコーディネータとの日程調整で、
約10日後の○月○日に△△病院で最終同意をすることとなる。

ドナーになる5(確認検査)

(確認検査)
● ○月○日(通知から31日目)
○○付属病院で血液検査と、今回の骨髄移植の手順やリスクについて説明がある。
血液検査用に10本近くの血を採取する。
今回は国外への提供(国際コーディネイトというらしい)ということで、
そちらへの病院へ国際郵便で送付していた。
(採取した血液を、国際郵便のダンボールにそのまま入れてたので間違いないです)
骨髄移植のリスクについては、手術で骨髄液を採取すること、
全身麻酔をすることなどに由来するリスクがあり、
それぞれは低い確率で問題が起こるが、過去に死亡例なども
あることが説明される。
正直ドン引きである・・。
逆に、提供を受けた人が、助かる確立は70%程度ということで、
自分が提供することによる後遺症の残るリスクと、相手が助かる確率から考えると、
提供する決意を新たにする。
今回の血液検査から複数の提供者から絞られるらしく、通知まで1,2ヶ月かかるとのこと。
緊張する日々が続きそうである。

ドナーになる4(財団、地区事務局からの連絡)

(財団、地区事務局からの連絡)
● ○月○日(通知から14日目)
アンケート返送から3日くらいすると、財団の本部から、
「今後のやり取りは、近畿地区事務局に引き継ぎ、コーディネーターが対応にあたる」
旨の電話連絡を受ける。(後日同様の内容の文書が送付されてきた)
その直後、近畿地区事務局のコーディネータから電話があり、詳細な血液検査と説明をするため、
近所の病院に来てほしいとの申し込みがある。
(確認検査という)
結局、○月○日○○大学付属病院で確認検査を受けることになる。

ドナーになる3(コーディネート通知)

● ○月○日(通知1日目)
ドナー登録から5年、骨髄移植推進財団から親展の封筒が届く。
内容は「骨髄移植に必要なHLA型が一致した患者さんが見つかったが、
提供する意思があるか?」という内容のものだ。
また、小さな紙が入っており「今回の提供先は国外である」との
申し添えがあった。
アンケート形式で郵便で返信するようになっている。
最初に提供の意思があるか。
次に、病気などしていないか、生活習慣などの質問が続く。
「骨髄提供者となられる方へのご説明書」というものが同封されている。
これが骨髄ドナーのバイブルである。
全部目を通せば、骨髄ドナーの基礎知識が身に付く。
が、ささっと、目を通し、提供するとの回答を送る。(^^;
(この時には、提供することによる自分のリスクに気が付いていない)
通常、この通知から手術まで3ヶ月から5ヶ月くらいかかるらしく、
現在の勤務先の都合で、△月までに提供を完了したい旨をメモに書き同封した。
なお、この通知は、HLA型が概ね一致した人に送られており、
精密検査を受ける人を、アンケートの結果から、再度ピックアップすることに
なっているようである。
ところで、5年前に登録していること自体を忘れていた。
定期的にニュースが送られてくるのであるが、自分が登録していることと
リンクせずに読んでおり、自分が提供者になるとは、全く予想していなかった。

ドナーになる2(骨髄移植とは)

まず、骨髄移植のことを書く前に、骨髄とはなにか、
なぜ移植しないといけないのかを、簡単に書いておきたいと
思います。
骨髄とは、骨の中心部にあって、絶えず血液を作り続けています。
この、骨髄には骨髄液という液体が入っていて、
その中に、血液を作る「種」の細胞が入っています。
白血病などの病気は、この「種」に異常が生じて、
正常な血液を作れないようになってしまうのです。
現在の有効な治療の一つは、この骨髄液を正常な人から移植する、というものです。
この骨髄液は誰のものでもよいわけでなく、
「HLA」という型が一致しないといけません。
これは、通常のABO型の血液型とは関係なく、
逆に血液型が違っても、このHLA型が一致すれば、
移植ができるということです。
ただ、通常の血液型と違い、HLAが一致する確率は、
数万分の一というものです。
血縁の中でも、兄弟間で四分の一という確率です。
他の家族(親子供など)の場合は、他人よりは確率は
良いですが、高い確率はあまり期待できないようです。
そんな訳で、血縁以外での移植を推進、仲介する目的で、
骨髄移植推進財団が存在するわけです。
この財団やドナー登録に関してはHPなどの広報で
豊富な情報がありますので、そちらを参照してください。
私からは、実際に提供した経験を中心に書きたいと
思います。

ドナーになる1(はじめに)

「骨髄移植」という言葉自体は、比較的耳にする言葉ですが、
実際にどのようなことをするのか、どのようなリスクがあり、
どのような効果があるのか、なかなか知る機会は少ないのが現状です。
実際、私がドナーの通知を受け、ドナーの事を調べようと思っても、
なかなか生の情報がなく、不安な日々を送りました。
今回、骨髄ドナーとなり、骨髄採取のために入院し、骨髄提供をしました。
単なる経験談ですが、少しでも骨髄移植のことを分かって頂いて、
どなたかの不安が軽減され、その結果、提供される方が増えることになればと思います。
なお、経験談をあまり具体的に書くことはできないことになっていますので、
日付、施設名などは、ぼかして書かせて頂いてます。
ご了承ください。
ドナーとなることは決して怖いものではありません。
ほんの少しの勇気で、助かる命があります。
(追伸)
これから毎日少しずつ記事をUPしていきますが、
もし、この記事自体に問題があったり、不快感を覚える方がおられれば、
コメントに記事を残してください。
公益性と比べ、必要であれば、このカテゴリーはすぐに削除するつもりです。