ドナーになる16(採取当日)

(採取当日)
● ○月○日(通知から97日目)
午前6時過ぎに目が覚める。
寝不足からか頭がすっきりしない。
飲み物も飲めないのでニュースなどを見て時間をつぶす。
手術用の寝巻きに着替える。
緊張が高まる。
口内があまりに渇くのでうがいをする。
午前7時、血液採取や血圧測定など。
午前8時45分、いよいよ手術室へ行く、手術室の待合には、
他に数人の患者さんが手術を受ける準備をしている。
当然であるが、みんな手術なので、元気いっぱいな人はいない。
IDベルトを、いろんなところで何度かスキャンされながら、手術室に入る。
見渡すと医療機器で埋め尽くされている。
手術台に横になる、保温用のシーツが掛けられる。
手術着を脱ぎ、パンツ一枚になる。
点滴用の管、血圧測定用のベルト、心電図用のパットなどが取り付けられていく。
口には酸素吸入用のおわん(?)が押し付けられる。
思わず息苦しさにはずしてしまう。
深呼吸し落ち着いたところで、再度つけてもらう。
周りには10人くらいの医師らが取り巻く。
緊張がピークに達する。
脈拍数は150という声が聞こえる。
「今から麻酔を入れます」という声が聞こえる。
麻酔を入れて、数秒間、まったく眠くもならずに、天井を見つめる。
ほんとに麻酔が効くのだろうか。
足の先がしびれてきた・・・
「聞こえますか。目を開けてください。腕を動かしてください」
という声が聞こえる。
(麻酔って少しずつ効くと思ってましたが、いきなり効くんですね。)
声は聞こえるが、意識ははっきりしない。
初めての経験である。
言われていることはわかるが体が動かない。
「無事手術は終わりました。今、11時です」という声。
肺への管が挿入されたはずだが、すでに抜かれている。
変わりに喉が激しく痛い。
風邪ひきの後のようである。
そのまま、自分の病室に運ばれるらしい。
ガタゴトと揺れる、自分の部屋に戻ってきた。
まだ、意識がはっきりしない。
腰が痛い・・(当たり前だけど・・)
献血用の針より一回り太い針で指したらしい。
担当医が来て、説明を受ける。
骨髄の細胞は充分に採取できたということである。
右の皮膚に2箇所、骨髄へは5箇所。
左の皮膚に1箇所、骨髄へは5箇所。
で、採取できたようである。
場合によっては、もっと多くの穴をあけると聞いていたが、
それよりも相当に少ない穴ですんだようである。
今頃はすでに韓国の病院に空輸され、相方に注入されているかな・・
という思いがよぎる。
眠いのでとりあえず寝る・・
昼過ぎに家族が見舞いにきてくれる。
やはり、家族でないとなかなか頼むのも頼みにくいので、
きてもらって助かる。
回診で飲み物を取れると診断を受ける。
とりあえず、喉が渇いているので炭酸をぐびーっと飲みたい。
と、いうことで炭酸をぐびーっと飲む。
1時間後、激しく気分が悪くなり、吐き気と下痢でひどいことになる。
原因は間違いなく炭酸(^^;
もともと、おなかが弱いのに無理をしすぎたと反省。
全身麻酔でおなかの動きが鈍くなるらしい。
夕食は許可は出ていたが、辞退することにする。
午後8時、家族からの電話があり、気力が復活する。
夜の9時なって少し小腹がすいたので、病院地下のファミマに行く。
具の入っていないパンを買い、少しずつかじる。
雑誌などを読みつつ11時半位に就寝する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です